「キレイラインは前歯12本に特化しているから、奥歯の噛み合わせは悪くなりますか?」
「キレイラインは噛み合わせを気にしない人のための治療方法ですよね?」
とご質問いただくことがあります。
キレイラインの治療は、他人からよく見える前歯を整える事を主目的としていますが、そのために噛み合わせを代償とするようなデザインは行いません。
キレイライン矯正では、噛み合わせも考慮した治療計画を立てております。マウスピースの製作時には、臼歯部が頬舌的に上下がバランスよく噛み合うよう都度考慮しておりますが、噛み合わせの悪化が生じる可能性はゼロではなく、その原因は多い順に以下の3つです。それぞれ解説と、リカバリー方法をご説明します。
①治療中、動かしている途中の歯が他の歯に当たり、深く噛めなくなる症状
キレイラインに限らず、すべての矯正歯科治療で起こる一時的な噛み合わせの悪化です。ワイヤー矯正でもマウスピース矯正でも、治療が進めば解消される一時的なものですので、ご安心ください。
② マウスピースの厚みによって起こる、臼歯(奥歯)の圧下
噛み締めが強い方で起こりやすく、歯茎方向に力が加わることでマウスピースの厚みのぶん歯が引っ込んでしまい、マウスピースを外したときに噛み合わせが悪くなる症状です。マウスピース矯正特有の二次的な歯の移動や反作用で、キレイラインに限らず、すべてのマウスピース矯正で発生します。
症状が認められた場合、使用するマウスピースの臼歯の咬合面をカットします。または臼歯部分を段階的に切り落とします。
どんな治療方法でも、最低2年間(できれば夜間はそれ以降も)はリテーナーを使用しないと、歯列は元に戻ろうとします。この力を利用するリカバリー方法です。
③ 拡大床で広がりすぎて、または拡大床の当たる場所がズレてしまったことが原因で、歯列が外側に倒れ込んでしまう症状
非常にまれですが、ワイヤー矯正・マウスピース矯正にかかわらず、拡大床を使用した場合に起こり得るリスクです。拡大床の使用を中止してマウスピースで締めつけることによって、比較的容易にリカバリーできます。
噛み合わせの悪化の多くは①に該当する一時的なもので自然となくなることがほとんどですが、違和感が残る場合はすぐに担当医師へご相談ください。
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噛み合わせに関する当社の見解につきましては、公式ブログ記事も併せてご参照ください。